ベースボールテスト(バッティング編)
■野球のできていること、できていないことを知るとは
野球には3割バッターと2割バッターがいます。
150kmのスピードボールやドライブする縦スラを打ち返すバッターもいます。
スライダーに腰が引けて空振りしたり、ウエストボールに思わず手が出て打ってしまうこともあります。
フォアボールになるのにボール球に手を出し、凡打になる選球眼の悪い選手もいます。
だれも失敗したくて失敗をする選手はいません。
ボール球に手を出してはいけない!
わかっているのに手が出てしまいます。
監督さんやコーチから怒られます。
何度言ってもわからないので、あきらめの気持ちと、育成をあきらめる気持ちがわきあがってきます。
このような失敗の多くは、身体の使い方に特徴的な原因があります。
それは「動き出したら止まれない」ということです。
一流選手たちは、投球を観察しながら打つのに対して、ダメな選手たちは動き出して失敗したとおもった瞬間には、修正の困難な状態で取り返しのつかない失敗をしてしまうのです。
つまり失敗の原因は、失敗の可能性の高い運動神経の筋出力になるのです。
このベースボールテスト(バッティング編)は、一流選手とダメな選手の動き方を分析して、一流選手ができて、ダメな選手ができないバッティングのテストを収録しています。
■ベースボールテスト(バッティング編)の内容
収録されたテストは27種類になります。
いろいろな投球の状況を設定したり、一流選手が無意識で行う技などもテスト項目に組み込まれています。
そしてテストの良い例と悪い例が収録されています。
悪い例とは無理やりテストをこなそうとする苦しい動きが含まれています。
そして、そのテストが出来ないことで、どんな失敗をするかというバッティングを説明してあります。
さらにこの失敗の原因となる身体の使い方が説明されています。
その後に失敗の原因となる身体の使い方を修正する練習方法と注意点が収録されています。
修正の練習をし、すべてのテストをクリアするまでチャレンジしてもらいたいと思います。
■一流選手とダメな選手を分ける物理エネルギー
このようにベースボールテスト(バッティング編)は、テスト、良い見本(正解)、悪い見本(不正解)、不正解の原因、不正解の動きで起こる実査のバッティング、修正練習法、その注意点で構成されています。
ところでなぜ一流選手とダメな選手は、同じように成功したいと思っているのに、大きな違いがでるのでしょうか?
それは一流選手は物理エネルギーをたくさん使い、ダメな選手はほとんど使わないということが原因です。
この物理エネルギーとは、体重を利用した位置エネルギー、位置エネルギーが接地したときに受ける身体の弾力生エネルギー、バットの遠心力を最大にする運動量保存則(遠心力と身体の重さの関係)にそった動き方などです。
このような物理エネルギーを実際のバッティング技術に落としこむのがこの修正練習の中に入れ込まれています。
■使い方のご提案
指導者やコーチの方は、各種のテストを選手に行わせてください。
その選手の出来ない動きのリズム感や問題を把握してください。
修正練習をさせて、注意点を指導してください。
テストを修正練習を繰り返してください。
少しでも選手の上達した動きが見えたらほめてあげてください。
選手自身は、テストと修正練習を繰り返してください。
一回一回のテストや修正練習の動きの体感を噛みしめながら行ってください。
結局は、選手が自分自身で問題点の修正の把握、そのための練習のリズムに向かうことが大切だと思います。
一流選手の上手さのコツは物理エネルギーを使いこなすということだったのです。
そのコツに向かわせることで、選手が上達の道を歩み出せるのだと思います。
監修者
自然身体構造研究所所長 吉澤雅之(タイツ先生)
皇學館大学非常勤講師・朝日カルチャーセンター講師
著書 「タイツ先生のモノマネ野球教室」(白夜書房)
スポーツ技術雑誌連載
「野球小僧」「中学野球小僧」「サッカー小僧」
「ラグビー魂」「中学高校バスケットボール」
「月刊バレーボール」「ザゴルフ」
「スポーツイベント ハンドボール」
「ダンスファン」他
テレビ・映画出演 講演会多数。