■ 「選球眼が悪い打者への指導」
打者の悪球に手を出してしまう最大の原因は、ボール球だとわかったとしても止まることができない。「1、2」のリズムでスイングを始動し1から2の途中でボール球だと判断しても「身体は急に止まれません」という感じで振りたくなくても振ってしまうのです。ストライクからボールになる沈むボールも気づいたときには、腕の伸ばす動きしかできずへっぴり腰でスイングをするのです。
スイングが途中で止まれる選手と止まれない選手の違いは筋肉の力の入れ方の違いにあります。止まれる選手は足裏からバットへ筋肉が順々に伝わるようにスイングをします。止まれない選手は「1、2」のリズムで「1」で力を入れ、「2」でも力を入れ、身体が固まりのような状態でスイングをしています。固まりは坂道を転げ落ちるように動き出したら止まることはできません。身体のほとんどが固まっていて、わずかに動くことができる腕の伸ばす動きでスイングをします。この動き方がへっぴり腰のスイングを生むわけです。
筋肉は「力を入れる、力を抜く」で力を発揮するという大原則があります。人が立っているという事は、力が入っていることですから、力を抜いて始動しなければスタートできないのです。
打者がバットを持って立っていることは筋肉に力が入っていることですから、力を抜いてスイング始動しなければ筋肉が正常に働きません。ですからボールを見極めながら、割れの体勢ができたら、力を抜いてスイングを始動させなければなりません。割れの体勢や前足が接地したら身体の力を抜いてスイング始動させなければならないのです。
特に両方の股関節の抜き方がポイントです。足裏からバットへ螺旋状の力が加わるようにスイングをすることができます。螺旋状の筋力の伝達の途中でボールが変化してもちょっと止まれば対応できます。つまりボールをつねに見極めながらスイングをしているのです。
この動きの達人はイチロー選手です。一般の選手はインパクトのポイントが一点になるのにたいして、イチロー選手は前後に奥行きのある大きなインパクトポイントを持っているのです。
身体を足裏から螺旋状に力を伝えるフィーリングをつかめば選球眼はよくなります。全身の筋肉が連動しているので飛距離も上がっていくのです。
この章では、これらの原因や対処法、練習法などを収録しています。
DVDメニュー(約27分)
打者の選球眼が悪いの原因と対処法
身体基礎リズム体操
選球眼が悪い打者のための練習法
なかなか上手くならない選手への指導方法をタイツ先生が実演しながらお伝えします。
野球選手の様々な問題のその原因を解説し、約5分間の対策トレーニングで解決します。
まず身体の構造と物理法則によって問題を分析し、その根本原因を把握します。
対策トレーニングは、まず厳選された3種類の身体基礎リズム体操(股関節体操・肩甲骨体操・中心軸体操)で全身の関節の可動を高め、野球の動作に必要なリズム感を司る運動神経をアップさせます。
そののち原因の分析にもとづき、個別に調整された対策エクササイズで問題点を解決します。
(タイツ先生の野球指導者セミナーシリーズは、野球なぜできないのシリーズを項目ごとに分割したDVDです)
監修者
自然身体構造研究所所長 吉澤雅之(タイツ先生)
皇學館大学非常勤講師・朝日カルチャーセンター講師
著書 「タイツ先生のモノマネ野球教室」(白夜書房)
スポーツ技術雑誌連載
「野球小僧」「中学野球小僧」「サッカー小僧」
「ラグビー魂」「中学高校バスケットボール」
「月刊バレーボール」「ザゴルフ」
「スポーツイベント ハンドボール」
「ダンスファン」他
テレビ・映画出演 講演会多数