バッティング音楽タイミング体操(動きのリズム感編)
身体の音、動きのバランス力を体感する
■三冠王2回の落合博満選手の極意
「ボールを引きつけて打て」「ボールを呼び込んで打て」コンマ数秒の中に3割バッターと2割バッターを分け隔てる大きな壁があります。
落合博満さんが現役の頃はゆったりとボールを呼び込んで、いとも簡単にホームランをかっ飛ばしました。周りで見ている私達は、あの楽なスイングの中になぜあのようなパワーが隠れているのか不思議でなりませんでした。
■力を入れるタイミングは一般の選手と逆です
ピッチャーの投げたボールは、コンマ数秒でホームベースの上を通過します。なるべくボールを呼び込んでボールを見極めれば、ヒットを打てる確率が高まるのは当然です。
ところがなるべく呼び込む、そしてインパクトをする時間は人によって違います。それはトップからインパクトまでのスピードの違い、体の動かし方に違いがあるからです。落合選手は、トップからインパクトまでのスピードが格段に速いのです。一般の選手がつまってしまうポイントまでボールを呼び込み、正確にインパクトをします。
筋力の強さなどのパワーの違いもあるのですが、筋出力のしかたが根本的に違うのです。落合選手は、トップから筋肉を一瞬力を抜いてスイングを始動させます。一般の選手は、トップから筋肉に力を入れてスイングを始動させるのです。筋肉の性質である「筋肉は力を入れる、力を抜くことを繰り返して力を出すことができる」からいうと落合選手は自然な筋出力をしているのです。
バットを持って、トップの構えで立っているということは、バットの重さを腕の筋肉に力を入れて、足脚の筋肉身体を支えるように筋肉に力が入っているわけです。ですから一瞬力を抜いてスイングを始動させることが当然なのです。
一般の選手は力の入っているトップの状態からまた力を入れてスイングを始動させるので、始動がコンマ数秒遅れてしまうのです。その結果スイングのスピードが落ちるので、呼び込んで打つことができないのです。
■割れるトップ、割れるインパクトができないので体勢が崩れる
打つ準備である割れるトップはたいへん重要です。上半身と下半身が逆方向の動きをしているので「割れ」とか「セパレート」とか呼ばれています。
ですが一般の選手を見ますと、なかなかこの動きができている人が少ないようです。この動きは形として覚えようとしても、なかなかできるようになりません。
この割れのトップの動きの本質は下半身と上半身が逆の動きをすることによってバランスをとっていることにあるのです。形だけまねようとして筋肉に力をいれて割れを作っても、一流選手の割れとは別物の動きなのです。
そしてもう一つ。一流選手の動きを分析するとトップでの割れの動きを入れ替えるようにインパクトでも割れの動きが起こっていることがわかります。このような動きは形を教えようとする指導では身につくことはありません。
私達の身体は重さがあります。腕も脚も頭もそれぞれあって形だけで覚えようとすれば、その形を筋肉で固めるようにすることをします。これでは割れの形をすることに精一杯で、ボールを打つというところまで筋肉に余裕がありません。余裕がないからボールを呼び込めずに早めにスイングを始動させます。このような時に変化球がくれば全くタイミングが合わないことは想像ができると思います。
■身体の動きのポイント、音楽に合わせてリズム感を身につける
このようなスイングができる選手は、始めからできています。それは割れたトップやインパクトの動きは、一番自然で一番楽で一番パワーがでることを身体が知っているからです。
ですができない選手は割れの動きを形だけを求めてバランスをとるようなことはせず、筋力で固めるように力を働かせます。
バッティング音楽タイミング体操(動きのリズム感編)は「割れ」の動きを音楽に合わせて体操の中で身につけていきます。
■バッティング音楽タイミング体操の内容
バッティングのいろいろな局面に対して、それぞれの違った音楽のリズムに合わせて体操をおこないます。
前半は身体バランス能力の基点である股関節を中心に、バッティングにおける身体ポジショニングを身につけていきます。そして、バットを持った腕の基点である肩甲骨を使ったスイングの軌道をおこないます。
そして割れるトップ、割れるインパクトを身につける体操をしてより実戦の動きに近づけていきます。それぞれの動きは、それぞれの動きの特性に合わせて音楽がチョイスされており、一流バッターのリズム感が身につきます。
そして最後はボールの認知能力を高める為の「目のストレッチ」や「超高速ティー」によってスピードボールと究極まで呼び込んで打つ、変化球にも強いバッティングスタイルを練習していきます。
バッティング音楽タイミング体操自体は約10分、超高速ティー練習も約10分間で合計約20分間で終了するようにプログラムされています。
■なるべく早い時期にバッティングの神経トレーニングに取り組んで下さい。
運動生理学では「運動神経は12〜13才位までに完成する」と言われています。小学生や中学生までの時期に運動神経の基礎が完成するということです。ですからこの時期をゴールデンエイジと呼ばれています。
この時期におこなった運動トレーニングの内容が、一生影響するといっても過言ではありません。バッティング音楽タイミング体操は一流バッターの動きを身につけると共に、人間本来の運動神経の向上をおこなうことができるトレーニングなのです。
監修者の紹介自然身体構造研究所所長 吉澤雅之(タイツ先生)
皇學館大学非常勤講師・朝日カルチャーセンター講師
スポーツ系技術雑誌の連載「野球小僧」「中学野球小僧」「サッカー小僧」「ラグビー魂」「中学高校バスケットボール」「月刊バレーボール」「ダンスファン」他スポーツ・武道のアスリートの技術指導情報バラエティテレビ番組出演多数
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