タイツ先生のゴルフ解剖学(スイング編)
骨格の通りに動けば誰でも美しいフォームで打てる
■ゴルフのスイングフォームはいろいろありますが、プロゴルファーはみな美しい。 ゴルフ練習場でいろいろなスイングを観察しますと、千差万別さまざまなスイングがあることに感心させられます。一定のリズムで美しいフォームの方はナイスショットを連発するのに対して、初心者と見えるカクカクとしたスイングの方は、ほとんどミスショットです。止まっているボールを打つだけなのに、その違いは歴然です。プロゴルファーも顔を見ずにスイングフォームだけを見ても、それがどの選手のスイングかがわかる位に個性的です。ですがプロゴルファーのスイングはスムーズでたいへん美しいことが共通しています。
■関節が動ける範囲は決まっている 人間は500を超える筋肉と200を超える骨格で構成されています。骨格は筋肉でつながれており、そのジョイント部分は関節として機能しています。そしてこの関節には動ける範囲が決まっていてその組み合わせでゴルフスイングを行なっているわけです。
■伸び悩み続けるゴルファーの共通点 無限と思えるような関節の組み合わせがあるように思えますが、プロゴルファーと一般ゴルファーの大きな違いは関節の動いている数にあります。「全身をくまなく使って動く」はスポーツの教えでは格言ですが、一般のゴルファーは一部分の関節しか動いてないのです。一部分の関節、一部分の体しか動いていない一般ゴルファーのスイングが、あの個性的?なスイングを生み出していたのです。美しいフォームのプロゴルファー共通の動きは全身をくまなく動く関節の動きが可能にしていたわけです。
■一部分しか動かない体の状態でのゴルフはたいへん難しい 関節の動ける範囲は決まっていますが、それぞれの動ける範囲の大きい、小さいはあります。それがそれぞれの個性として働いているのがプロゴルファーのスイングです。一般のゴルファーは動くべき関節が動かずに、また動かす場所が違ってみたりしながらゴルフスイングをしています。例えれば、サイドブレーキをかけながら走っている車のような状態です。もしくは車の四つのタイヤのうち一つだけが少しスピードが出ない状態と例えることができます。想像しただけで、たいへんむずかしい体の状態でゴルフをしていたのです。
■ゴルフスイングは骨格や関節の動きに合わせればたいへん簡単です。 ゴルフスイングはスイングプレーンが大切と言われます。ゴルファーのみなさんは、このスイングプレーンにクラブの軌道を合わせるように一生懸命に練習をします。ですが、なかなか結果がでません。スイングプレーンは本来一人一人違うものです。それは一人一人の関節の動ける範囲の大きさが違うからです。女子プロゴルファーのように深いトップをつくるよう努力した場合、一般のゴルファーの方は関節の動ける範囲が小さいわけですから、無理なわけです。人類の骨格や筋肉はだいたい同じ構造になっています。ところが先のように関節が動ける大小があるわけです。この大小に基づいて一人一人のそれぞれのスイングプレーンがあるわけです。そしてこの関節や骨格の構造がわかると、その人それぞれの関節が教えてくれるスイングプレーンがわかるようになるのです。一人一人の関節の動ける範囲を明確に意識し、その通りに動くと自分自身のスイングプレーンがわかります。もっとスイングプレーンを大きくしたい場合は、その関節の動ける範囲を大きくしていけばよいのです。誰をまねることなく自分自身のスイングプレーンがわかります。
■自分自身の身体の状態がわかればスイングの問題点が見えてくる。 スポーツの指導の現場でよく起こることですが、見た目のイメージとそれを身につけるための練習方法が違っている事が多々あります。有名な例では陸上競技スプリントのもも上げ練習が、実際の走る動きと違うということがあります。スプリンターの走っている姿は、ももを高く上げているように見えたので、もも上げ練習をしたのですが、そのイメージでは実際に結果が出なかったのです。ですから、今ではもも上げのイメージでの走法のコーチングはほとんど行なわれていません。この練習のせいで世界のトップレベルと差がついてしまったとさえ言われています。ゴルフは練習方法など技術的情報はたくさん提供されていますが、身体が動いていなかったり、動き方のイメージが間違っていることに気づかない限り、上達が阻害されてしまうわけです。プロゴルファーのすばらしい情報をまちがえて解釈してしまっているケースがほとんどです。今の身体の状態でプロの動きを学ぶことは無理なこととさえ言えるのです。
■自分の今の状態に気づくことです。 正確に身体の構造を理解して下さい。重力や遠心力などのクラブと身体の関係を把握します。解剖学と物理学の自然の法則と自分自身のスイングを照らし合わせます。自然の法則に逆らってスイングをしていたら、かなり無理をしていることです。ちょっと気づくことで体が楽にスイングができるようになります。タイツ先生のゴルフ解剖学を見れば、身体とクラブと重力などのシンプルな関係が見えてきます。シンプルで簡単なスイングのメカニズムが見えてきます。このようなシンプルな構造が見えてくることで大自然と向き合うゴルフの醍醐味を味わうことができるようになるのです。
DVDメニュー(約2時間40分)
- 切り返しは筋肉の反射と落下を利用する。
- 前腕で深くトップをつくる際の骨格の制限。
- 腕の回旋の軸感覚(指先から肩甲骨)
- グリップは胸鎖関節ライン 肩甲骨下角ライン 尺骨軸回旋で決まる。
- 本当のボディターンは体幹部をタテ回旋とヨコ回旋に使いジャイロ回旋させる。
- 左右の腕の軸回旋が壁の動き スイングの動力の働きをする。(制御と動力)
- 身体の軸感覚は首の頸反射と身体後面と身体前面の働き、左半身右半身の時間差の働き
- インパクトにおけるグリップ 力点の移動とリズム感
- 身体中心部からのスイング始動と手周辺部からのスイング始動の実際のスイングアークの違い
- 体重移動の筋出力方法の違い。力を入れるタイミングとスイングイメージ
- 身体の回旋ポイントを正常に使えばトップは決まり、その回旋ポイントのとおりに振り戻せばスイングプレーンは決まる。
- 腕の重さを腕の回旋に乗せればスイングスピードはアップする
- 体重移動による筋肉と関節の弾力性(地面反力)が飛距離の大原動力になる。
- 肩を回すは体幹部が回るからできる。肩関節だけで動く範囲。
- アドレスから下半身の体重移動が正確にできれば軸足の膝は開かない
- インパクトからフォローにかけての大きなスイングアークは腕の軸回旋、力点の移動、体幹部の回旋が可能にする。
- トップでの手首の動き(コック)体側の範囲。
- ゴルフの極意 力を入れずに力を出す。力感0のスイングを目指す。
ゴルフ解剖学のトレーニングには意図があります
問題点 | 修正トレーニング |
切り返しがスムーズでない | 1.切り返しは筋肉の反射と落下を利用する 18.ゴルフの極意 力を入れずに力を出す |
トップで深く肩が入らない | 2.前腕で深くトップを作る際の骨格の制限 |
ヘッドがきかない | 3.腕の回旋の軸感覚(指先から肩甲骨) 4.グリップは胸鎖関節ライン 肩甲骨下角ライン 尺骨軸回旋で決まる |
ボディターンができない | 5.体幹部をタテ回旋とヨコ回旋に使いジャイロ回旋させる |
壁の開きが早くミスショット | 6.左右の腕の軸回旋が壁の動き スイングの動力の働きをする |
スイングで頭が大きく動く | 7.頸反射、身体前後面、左右半身の時間差の働き |
インパクトでヘッドが走らない | 8.インパクトにおけるグリップ 力点の移動とリズム感 |
ゆったり大きく振れない | 9.身体中心部からのスイング始動と手周辺部からのスイング始動の実際のスイングアークの違い |
スイングが硬い、引っかけるミス プッシュアウト | 10.体重移動の筋出力方法の違い。力を入れるタイミングとスイングイメージ |
トップが決まらない | 14.肩を回すは体幹部が回るからできる。肩関節だけで動く範囲 15.アドレスから下半身の体重移動が正確にできれば軸足の膝は開かない 17.トップでの手首の動き(コック)体側の範囲 |
スイングプレーンがバラバラ | 11.身体の回旋ポイントを正常に使えばトップは決まり、振り戻せばスイングプレーンは決まる |
ボールが飛ばない | 12.腕の重さを腕の回旋に乗せればスイングスピードはアップする 13.体重移動による筋肉と関節の弾力性(地面反力)が飛距離の大原動力になる |
インパクトからスイングが加速する | 16.インパクトからフォローにかけての大きなスイングアークは腕の軸回旋、力点の移動、体幹部の回旋が可能にする |
監修者
自然身体構造研究所所長 吉澤雅之(タイツ先生)
皇學館大学非常勤講師・朝日カルチャーセンター講師
著書 「タイツ先生のモノマネ野球教室」(白夜書房)
スポーツ技術雑誌連載
「野球小僧」「中学野球小僧」「サッカー小僧」
「ラグビー魂」「中学高校バスケットボール」
「月刊バレーボール」「ザゴルフ」
「スポーツイベント ハンドボール」
「ダンスファン」他
テレビ・映画出演 講演会多数
チーム導入等、大量にご購入される場合はご相談願います。TEL0285-30-6151